【JAZZ超名盤】John Coltrane / My Favorite Things のススメ
今回も「ジャズ超名盤研究 / 小川隆夫 著」という本を参考にJAZZ超名盤を紹介します。本当にいい本ですので、ジャズに興味のある方は是非お読み頂きたいと思います。
また、明日だれかに話したくなるようなウンチクもいくつか紹介させて頂きますので、興味のある方は是非最後までご覧ください。
目次
John Coltrane / My Favorite Things
リリース:1961年
1960年にドラムスのエルヴィン・ジョーンズがコルトレーンのカルテットに参加したことで、コルトレーンの理想のメンバーが顔を揃えることになった。
そして、同年10月21日、24日、26日の3日間スタジオに入り、22曲の演奏を録音し、それらの曲は3枚のアルバムに分けられ、順次リリースされていった。
このMy Favorite Thingsがその1枚目だった。
メンバー
ソプラノ・テナーサックス:ジョン・コルトレーン(34歳)
ピアノ:マッコイ・タイナー(21歳)
ベース:スティーヴ・デイヴィス(31歳)
ドラムス:エルヴィン・ジョーンズ(33歳)
収録曲
1. My Favorite Things
2. Everytime We Say Goodbye
3. Summertime
4. But Not For Me
収録曲は、ミュージカルチューンや、スタンダードナンバーであるが、お馴染みのメロディを用いて、そこからどれだけ離れられることができるかというコルトレーンの創造性への挑戦であった。
そして、実際に本作で聴けるロング・ソロの数々はコルトレーンの音楽が新たな次元に突入した事を世界に知らしめ、衝撃を与えた。
なお、本作では、コルトレーンは
A面である、1,2曲目はソプラノサックス
B面である、3,4曲目はテナーサックス
と使い分けている。
明日誰かに話したくなるウンチク
ウンチク①
一曲目のMy Favorite Thingsは、人気ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」から生まれたヒットナンバー。一度は皆さんも耳にしたことがある曲だと思います。
ジャズのイメージも強いこの曲ですが、最初にジャズに持ち込んだのがコルトレーンで、このアルバムがきっかけでスタンダードになったと言われている。
ウンチク②
今でこそ、ジャズ・ジャイアンツの一人として認知されているコルトレーンだが、当時の演奏にはアンチ・ジャズのレッテルを貼られることもしばしばあったそうだ。
その批判に立ち向かい、己の信じるジャスをクリエイトするため、あえて、このスタンダードを中心とした作品を吹込んだと言われている。
この作品の歴史的な評価が示すように、コルトレーンは間違っていなかった。
己の価値を証明した作品が、まさにこの一枚なのだ。
ウンチク③
本作の1曲目と2曲目で吹いているソプラノ・サックスだが、コルトレーンが吹くようになったきっかけとされる説が2つあるらしい。
一つ目の説
ある時コルトレーンがタクシーに乗ったら、ソプラノ・サックスの忘れ物があって、そのまま、つい黙って持ち帰ってしまった説。
しかし、コルトレーンは好人物のため、その後、仲間内でソプラノ・サックスを無くした人物がいないか探していたらしい。
二つ目の説
コルトレーンはマイルス・デイヴィスのクインテットに参加していたのだが、コルトレーン退団の意向を聞いたマイルスが、コルトレーンに去られては困ると、以前からコルトレーンが欲しがっていたソプラノ・サックスをプレゼントした説。
ちなみに、これは生前のマイルス本人談とのこと。
意外とマイルスがかわいいエピソード。
おわりに
以上、いかがでしょうか?
背景が分かると聴こえ方が本当に変わります。
前述の通り、スタンダード4曲ですので聞き馴染みある曲ばかりです。
どこかで一度は聴いたことがあるかもしれませんが、改めて聴いてみてはいかがでしょうか?
それでは、最後までお読み頂き有難うございました。